デザイナーの、表現者としての電子ブックというのがあってもいい

ブックデザイナーにとって「文字」はもっとも重要なデザイン・エレメントである。文字がなければ本にはならないことは当然として、文字の表情がその本の内
容を補間したり、広げたり、イメージを生むことに貢献している。であれば「書体」に何を選ぶかは本作りの生命線といっていい。「書体」は本に命を吹き込
む、ひとつの要素だといっていい。
ユーザーフレンドリーな電子ブックを否定するわけではないが、「本は表現である」と考えれば無闇にデザイン(書
体や文字の大きさ)が自由に変更されてしまう電子ブックは、デザイナーにとっては不本意なものになってしまうだろう。
デザイナーが表現者かどうか
はひとまず置くとしても、少なくとも個人出版を目指すなら、デザイナーの、表現者としての電子ブックというのがあってもいい。紙とインクで培った文字への
こだわりを、電子ブックでもしっかりと生かしたものにするべきだ。










電子書籍時代のブックデザイン 49―デザイナーは文字へのこだわりを放棄しちゃいけないよ: Marginalreview