果てしないデバッグの果てに 納期を過ぎてペナルティなのか要求項目が倍増したらしいのだ

俺たちは、仕様も知らされぬまま横須賀に送り込まれた。
依頼主も孫請けらしく、正確な情報はかなり伝言ゲーム的に

それも口頭でしか伝えられない。
俺たちは、経験5年の軍曹1人と、経験2年の上等兵1人と、新人の2等兵3人
の小隊だった。

現地に就くなり、現場は火を噴いた有様だった。果てしないデバッグの果てに
納期を過ぎてペナルティなのか要求項目が倍増したらしいのだ。俺たちが

派遣された場所の前任者(というより部隊)は全員ウツになって戦線離脱した
らしい。引継ぎも全く無いまま、というよりドキュメントらしい物も無かった。


俺たちが最初に与えられた任務は、10万行に及ぶスパゲッティ・コード

「ちゃんと動くものにする」事であったが、仕様は何度問い合わせても、問い
合わせが上位会社へ何段も口頭で伝えられるうちに伝言が自然消滅してしまう

ようだ。俺たちには真上の階層の会社の担当者しか知らされておらず、現地で
他のチームの者と口を聞く事も一切許されていなかった。

ただ、スケジュールだけは何があっても遵守せよと通達された。しかし、仕様は
何時まで経っても伝えられなかった。ただ、目の前の大盛りスパゲッティは

スケジュールにとても収まりそうになかった。
俺たちと唯一連絡の取れる上位の担当者も、既に何日も寝ていないらしく、何か

ちょっと込み入った質問をすると容易にハングアップしてしまう。指示内容は
1日平均5回は変更された。










笑わないプログラマ

ひー。この後、さらに悲惨なのが延々と続く