米誌サイコロジカル・サイエンス ”


「日本人は声の調子に敏感」 日蘭共同の比較文化実験で明らかに

話し相手の感情を読み取る能力は、円滑な人間関係に不可欠なもの。早稲田大学の田中章浩助教とオランダのティルブルグ大学のベアトリス・デ・ヘルダー教授らの日蘭国際共同研究グループは、日蘭の大学生を対象とした実験によって、日本人は声の調子に敏感で、顔の判断をする際に声を無視できないことを発見した。見たものと聞いたもののように異なった感覚器官からの情報を脳が統合するメカニズムにまで文化の影響が及んでいることを検証したのは世界初の成果。異文化間コミュニケーションでの誤解の原因解明などにつながることが期待される。成果は米科学誌「Psychological Science」 9月号に掲載されている。


実験では、登場人物の顔と声の感情表現が一致しているビデオと一致していないビデオを作成し、参加者に視聴してもらった。そして、顔または声のどちらか一方のみに着目して、人物の感情を判断してもらった。その結果、日本人はオランダ人と比べて、顔に着目して判断する場合には、声による影響を強く受け、声に着目した場合には逆に、顔による影響を受けにくいことがわかった。つまり、日本人は相手の感情を判断する際に、声の調子に自動的に気を配ってしまう傾向が強いことが示されたのである。


今回の成果は、異文化間コミュニケーションでの誤解の原因解明や、顔と声を併用した感情翻訳技術の開発などにつながることが期待される。


詳細:米誌サイコロジカル・サイエンス











ポートフォリオ・ベルギーニュース