アップルコンピュータの音楽配信事業でのリンゴのロゴ使用差し止めを求めた

 リンゴを企業の顔とする“アップル”同士の闘いは、アップルコンピュータの創業時より既に始まっていた。アップル・コープスは“アップル”を企業名に使ったことに関してアップルコンピュータを相手取り訴訟を起こした。アップル・コープスは高額な和解金と引き換えに、アップルコンピュータが“アップル”の名を企業名とコンピュータ製品に使用することに同意。ただし、音楽市場に参入しないことが条件とされた。



 そして今回、この契約締結後にアップルコンピュータが始めた音楽配信サービス、iTunes Music StoreiTMS)で“アップル”の名称とロゴを使用することは契約違反に当たるとして、アップル・コープスが再び訴訟を起こした。契約上では、アップルコンピュータが楽曲をテープやCDなどの物理メディアに収めて配布することは、音楽事業とみなされ、禁じられている。アップル・コープスはiTMSがハードディスクという物理メディアを使用した楽曲配布に該当するとし、契約違反行為とみなして、損害賠償およびアップルコンピュータ音楽配信事業でのリンゴのロゴ使用差し止めを求めた。



 ただ気になるのは、今回の裁判で明らかになった、ビートルズ音楽配信参入計画の今後の展開である。アップル・コープスのニール・アスピノール氏は法廷証言で、ビートルズの楽曲のダウンロード販売に向けて準備を進めていることを明かした。



 一方のアップルコンピュータも、スティーヴ・ジョブズ氏がiTMSビートルズの楽曲提供ができるよう協力したいと申し出ている。ビートルズのオンライン販売デビューがiTMSでとなれば願ったり叶ったりといったところだが、アップル・コープスは今回の判決に控訴する意向を既に示しており、両社の溝が完全に埋まるまではまだ時間がかかりそうだ。双方のファンとしては、エミネムのときのように、iPod CMで劇的な仲直り、なんて筋書きを期待したいのだが……。



投稿者 YukoTakama : 2006年05月11日 11:36











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